素 (ㇲ)

“九死に一生”×4を得てからの生き方を綴る

キオク.3 「『本震』の夜」

やっと描けました。元の我が家の見取り図。

二階建て庭付き一軒家 でした。

二階に子ども部屋と夫婦の寝室があったのだけれど、子どもが小さい頃からずっと寝る部屋は一階の和室。

4人並んで寝てました。

押入れのある方から夫、娘、息子、私。

本震の日もそうでした。

 

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その日は、子どもたちは歓迎遠足で疲れ、みんな寝たのは早かった。

私は12時半頃布団に入ったけれどもなかなか寝付けず、家庭訪問では何を話そうかと考えたり、中学校の役員の懇親会(飲み会)ではどんな会話を楽しもうか、明日息子にはまだ余震があるから遊びに行くのはやめるように言って聞かせなきゃ。など考えていた。

家族がいて 幸せだなー って感じながら眠りについた。

 

だから、やっと深い眠りについた頃だったと思う。

突然の揺れで起きたのは。

大きく激しく身体が揺さぶられる。ジェットコースターに乗ったのに似た体感。

娘が悲鳴を上げる。私も思わず悲鳴が出る。隣の息子に覆い被さる。

長い。まだ止まらない。キッチンからガシャンガッシャンと激しい割れる音。

和室のサッシの手前に閉めていた障子が外れた。

月で外がとても明るかった。

揺れが止まる。

 

ふぅと息をつき、布団に身体を寝かせた途端、突然の雷雨!

屋根に激しく叩きつける雨音!このタイミングで?!

外にも逃げられないじゃないか。

「まじかー」と私は呟いた。

突如また家が揺れる。

だけじゃなく、壁が崩れる!天井を見上げた。その天井が剥がれ落ちてくるのが、月明かりではっきり見える。

瞬時に覚った。

豪雨じゃない、土砂崩れの音だったのだと。

死ぬ。と思った。

息子!隣にいる息子だけでも守らないと。私はまた息子に覆い被さり覚悟した。